第4回 CPサッカークラブ ASユナイテッド 代表 松村健一氏

CPサッカーの魅力は「多様さを含んだまとまりであること」

10896945_877314092300384_1454260985796342423_n

 

今回のライフインタビューズは、CPサッカー(脳性麻痺7人制サッカー)クラブ、ASユナイテッドの

 

 

 

Q:サッカーとの出会いは何ですか?サッカーの思い出の中で最も印象に残っていることはありますか?

 

松村:大きく印象に残っているのが2つありまして、1つは親戚の家に遊びに行っていてたまたまトヨタカップのプラティニをTVで目撃したこと(笑)。その後の寝そべりも含めて衝撃でしたね(笑)。

もう一つ、ぼくは生まれつき脳性まひでして、学校の体育はずっと見学だったんですが、小学校の頃は昼休みとかにGKで混ざったりもしていたんですよ。座りながらね。今思うと有り難い体験だったなあと思い出すたびに感慨深くなりますね。

 

 

Q:CPサッカーとはどのようなサッカーですか?(どのような選手が活動をしているのですか?)

 

松村:CPは英語の「Cerebral(脳からの)Palsy(麻痺)」の略です。脳性麻痺、脳卒中などの脳血管障害、交通事故などによる脳外傷や頭部外傷により、身体に麻痺を持つ人が対象となるサッカーです。7人制でフィールドとゴールの大きさが異なり、オフサイドが無い以外はほとんど11人制のサッカーと同じですね。その中でも競技を公平に行えるよう、麻痺の部位や程度に基づいてC5からC8までのクラス分けが行われています。

 

 

Q:CPサッカーに関わるようになったきっかけは何ですか?

 

松村:同じ脳性まひで、同じ病院で手術を受けた親友がいましてね。ある日電話で「CPサッカーのチームを起ち上げたので、手伝ってくれないか?」と。もう13年にもなりますか…それが最初でした。

 

 

Q:CPサッカーの魅力は何ですか?

 

松村:たくさんあると思います。中でもぼくがいつも感じているのは「多様さを含んだまとまりであること」です。本当に一人一人まひの状態・程度が異なる中で、一つのチームとしてそれぞれが自分のMAXを出そうとする。また出さないとチームとして機能しないんですね。

もしかしたら「そんなのは当たり前じゃないか。どこだってそうだよ」とお叱りを受けるかもしれません。でもきっとこれをお読みになってくださっている方の想像以上だと思います。だからこそ一度足を運んで見に来ていただきたいと願い、広報活動も続けています。

 

 

Q:一般の人がCPサッカーに関わることは出来ますか?またどのような関わり方が出来ますか?

 

松村:もちろんです。役割より先に一緒にボールを追いかけてもらうのが一番伝わるんじゃないかな。やっぱり。

その他にスタッフとして関わることができます。現場スタッフやサポートボランティアさんの他に、運営スタッフも実はやりがいがあると思います。苦労もありますが「リアルサカつく」や「もしドラ」のような面白さを感じたことも多かったです(笑)

自分たちが企画・実行したイベントが多くの人たちの笑顔につながったり、仲間と仲間をつなげられたりした時の喜びは何とも言えないものがありますね。

 

選手のご家族、スタッフも家族的な温かさがあります

11012986_689564007833536_3975505080022042392_n

 

Q:ASユナイテッドとはどのようなクラブですか?

 

松村:2002年から主にさいたま市で活動を続けている、「サッカーを通じて障がいの有無、性別、世代を超えて集い、交流することで人生を豊かにすることができるクラブ」です。

 

 

Q:ASユナイテッドは、どのような選手、どのようなスタッフで構成されていますか?

 

松村:10代から50歳までの選手たちが集い、多くは社会人です。まだ一人ですが女性の選手も来てくれていますし、先日は7歳の男の子と一緒に楽しみました。

スタッフはコーチやマネージャーがいますが、選手のご家族はもちろんとしてスタッフも家族的な温かさがあるんですよ。これも選手たちがそうさせてくれているんでしょうね。

 

 

Q:ASユナイテッドの活動を教えてください。

 

松村:まず第一に、年に1回の全日本選手権に向けて週に一度練習をし、同じCPサッカーチーム同士での練習試合や、一般チームとの交流試合を行う。これが活動のベースです。

加えて「大好きなサッカーで垣根の無い広がり、つながりを」と年に数回、多くのご協力者のおかげでイベントを行うことができています。昨年は3月に「ボーダーフリーサッカー」というイベントを開催しました。CPサッカークラブとアンプティサッカークラブの交流戦も初めて実現できましたし、プロフットボーラーの小澤英明さんをお呼びして笑顔でいっぱいのクリニックをしていただきました。11月には全国肢体不自由児者父母の会連合会(全肢連)様に協力させていただき、韓国のCPサッカークラブを日本にお招きしています。

 

楽しみや魅力も苦労も「人に尽きる」

11083616_674035646053039_7227947559008428620_n

 

Q:クラブを運営する魅力とは何ですか?

 

松村:ぼくはいまクラブの代表者とチームの監督を兼ねさせてもらっています。それぞれ領域が異なりますが、ただ結局のところは楽しみや魅力も苦労も「人に尽きる」と思っています。できうる限り癖も含めての個性を受け入れ、違いから出発して多くを学び、と同時に何でもありの逸脱にならないように苦心する。各人が自分を出しつつ、それでも一つにまとまれる。

それぞれが少しずつ自立を深めていく中で、サッカーに加えて人間的な成長も相互作用として広がっていく。さすがになかなかないですけれど(笑)、ぼくは確かにこのASユナイテッドで目にすることができてきました。うん、そこはまあ最高じゃないですかね(笑)

 

大切にしている価値観は「サッカーをあきらめないこと」

10389695_674035622719708_6356753687956920360_n

 

Q:ASユナイテッドの運営のほかにどのような仕事を行っていますか?

 

松村:社会福祉法人に勤務し、児童養護施設という子どもたちの生活する施設で事務職をしています。専門は会計です。

 

Q:マネジメントやチームを指導するときなどで大切にしている軸・価値観は何ですか?

 

松村:もうこれまでにかなり話してしまいましたので(笑)、一つだけ加えさせてもらいますと「サッカーをあきらめない」ということです。これには上達したいという思いの他にですね、ぼくたちの中にはそもそもサッカーがしたくてもできなかった、その場所がなかったという人も多いんですよ。入ったけれどついていけなかったり、入り口で断られてしまったりも実際にはあります。そんな中でもサッカーが好きで、サッカーをあきらめなかった人たちが集う、ASユナイテッドというクラブをそういうホームグラウンドにしたい。その思いは13年間ずっと一貫して持ち続けているとは思います。

 

 

Q:仕事で成果を出す為に、普段から大切にしている習慣はありますか?

 

松村:来てもらうのを待つのではなく、まず自分から動いて意思を伝えよう、でしょうか。

 

Q:サッカーには、健常者が行うサッカー、CPサッカー、電動車椅子サッカー、ブラインドサッカー等様々なサッカーがあります。お互いに手を取り合うことが大切だと思いますが、どのような関係が持てると、より日本のサッカー文化が発展すると思いますか?

 

松村:いま日本には7つの障がい者サッカーのカテゴリーがあって各統括団体があり、その下にはクラブがあるんですね。そしてそれぞれが大変なご苦労の中で頑張っていらっしゃいます。昨年はブラインドサッカーの世界選手権が日本で開催され、大成功を収められました。ぼくも観に行きましたが、世界レベルのプレーの数々に加え、障がい者スポーツで満員のスタジアムをこの目で見ることができました。歴史に立ち会えて重ねて感激しました。

 

ただそれでも、7競技それぞれが別個に応援してください!と言っても、なかなか世間には伝わらないですよね。日本サッカー協会が障がい者サッカー協議会を設立するようですが、素晴らしい動きだと思います。

一方でどうしてもそこで取り上げられるのはナショナルチームが多いとも思うんです。ウチからも数人CPサッカーの日本代表に選出されていますが、加えてぼくらのようなグラスルーツからもサッカーはみんなのものなんだと伝えたい。ぼくは日常の中に根付くものこそが本当の文化だと考えています。だからまずは自分たちの魅力について、普段から人にも伝えられるように自分たちで楽しみ、楽しめること。その次に他のカテゴリーについてもそうなれるように自然な交流を深め、ともに歩んでいければなあと。それがいずれ多くの人の夢を取り込んで大きくなっていくんじゃないかな。でも一方で実行する意思の力も必要だし、一人じゃできっこないんで旅はまだまだ続くのかな(笑)

CPサッカーの生命線はコラボだとぼくは思っていますから。そしてASユナイテッドは変わらないし、でも変わり続ける。サッカーもそうですよね(笑)

 

 

Q:本日はお忙しい中、貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。ASユナイテッドとCPサッカー界のますますのご発展を祈っています。

 

67086_395554337186102_23540321_n 

 CPサッカークラブ ASユナイテッド 代表

一般社団法人埼玉県脳性麻痺7人制サッカー協会 代表理事

松村健一

1978年生まれ

 

自身も脳性麻痺の障がいを持つ中で2002年にCPサッカークラブ、ASユナイテッドに出会う。2004年からクラブ代表を務める。クラブはこれまでにCPサッカー全日本選手権において8回優勝、3回の準優勝。主にさいたま市にある埼玉県障害者交流センターで活動。選手やお手伝いしてくださる方を随時募集中。

 

・クラブHP

http://asunited2002.wix.com/cpsoccer

・お問い合わせ

asunited2002@gmail.com

広告